ふるさと納税とは
「ふるさと納税」って、「2,000円の自己負担でいろいろな特産品がもらえる?」「寄付をした金額のうち、住民税の約2割分が戻ってくる?」などの表記をよく見ますが、初めてだとよく分からないですよね。特にサラリーマンは源泉徴収で、税金は給料から勝手に差し引かれているので、なおさら細かい仕組みが分かりません。私も最初はよく分からなかったので、サラリーマン目線で簡単に解説したいと思います。
◆所得税と住民税の仕組み
「ふるさと納税」の説明の前に、前提となる所得税と住民税の仕組みについて説明しておきたいと思います。
「所得税」は国税で、サラリーマンの場合は「源泉徴収」として、あらかじめ予想される税金が給料から差し引かれ、「年末調整」で最後に調整します。つまりは、その年の所得に対する税金をその年に納税します。
「住民税」は地方税で、サラリーマンの場合は「特別徴収」として給料から差し引かれるのは「所得税」と同様ですが、「住民税」はその年の所得に対する税金を翌年に納税します。
よって、今年に納税するのか翌年に納税するのかというところが、「所得税」と「住民税」の大きな違いになります。
◆所得税の還付
先に記載したように、サラリーマンは所得税を「源泉徴収」として納税済なので、「ふるさと納税」分は確定申告をすることによって還付されます(指定口座に振り込まれます)。2,000円の自己負担金額を除いたふるさと納税金額が所得控除となるので、還付される金額は、(「ふるさと納税金額」-2,000円)×「所得税率」になります。所得税率は所得金額に応じて5%~45%になりますが、サラリーマンの平均的な所得金額だと10%になるのでしょうか。復興特別所得税の税率も加味されますが、あまり大きくないのでそれ程気にしなくてもよいと思います。
◆住民税の控除
住民税はまだ納税していないため、所得税のように還付されるのではなく、翌年に納税する住民税から「ふるさと納税」分が控除されます。控除される金額は、基本控除分と特例控除分に分かれます。基本控除分は(「ふるさと納税金額」-2,000円)×住民税率10%で、特別控除分は(「ふるさと納税金額」-2,000円)×(100%-所得税率-住民税率10%)なので、つまりは残り全部です。ただし、それは特例控除分が「住民税所得割額」の2割を超えないことが条件となります。計算してみると分かりますが、住民税の控除は特例控除分が大半を占めることになり、もし所得税率が10%なのであれば、100%-所得税率10%-住民税率10%=80%が住民税の特例控除分になります。
◆住民税の2割まで
特例控除分(「ふるさと納税金額」-2,000円)×(100%-所得税率-10%)が「住民税所得割額」の2割を超えないことが住民税から「ふるさと納税」分が全額控除される条件と書きましたが、住民税には「均等割額」と「所得割額」があるのですが、ほぼほぼが「所得割額」なので、「住民税所得割額」≒「住民税」と考えてもらえればよいと思います。つまり、住民税から「ふるさと納税」分が全額控除される条件は、特例控除分が「住民税」の2割を超えないことと言えます。
◆ワンストップ特例制度
「ワンストップ特例制度」は、もともと確定申告が不要な給与所得者等の場合、申請書を寄附先の自治体に送付することにより、5団体までであれば確定申告が不要になる制度です。ワンストップ特例の適用を受ける人は所得税の還付はされず、その分も含めて翌年の住民税で控除されます。
◆まとめ
・特例控除分が住民税の2割以内であれば、自己負担金額(2,000円)以外は戻ってくる(細かくは上記のとおり)
・確定申告をした場合、所得税分が還付され、翌年の住民税分が控除される
・ワンストップ特例制度を利用した場合、翌年の住民税から控除される
公開日:
最終更新日:2020/10/25